梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

江戸寄せ小紋_扇

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寄せ小紋のなかに扇子らしい形が3種類あった。

扇、と思っているけれどこれは違うのだろうか。

 

もしかしたら上下つながって鼓?

ちょうど要の部分に・があるのでこれもwifiマークにも見えなくはない。

wifiマークについては青海波の時に書いた)

 

扇らしい柄がもう二つある。

左側の画像の中の下の方右側にひとつ。

この柄の中の、扇以外のものがはっきりと特定できない。

一番上、左側は羽根つきの羽に見えるのだが、見ようによっては植物にも見える。

違っていたら後で訂正する。

まだまだ知らない柄が多すぎる。 

 

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扇       扇面

右側は扇に仕立てる前の、扇面が並んでいる、と思っているが、これも別の柄の可能性はあるのだろうか?真ん中に丸があるので日の丸柄の扇に見える。

 

わからないことが多すぎるし、参考にと手に入れた本は順不同に掲載されているので一度じっくりと見なければ何があるのかもわからない。

参考本はこちら↓

pie.co.jp

布や着物ではなく型紙を集めたもの。柄には変わりはない。

 

https://pie.co.jp/book/i/4330/


 

江戸寄せ小紋_笹と霰

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江戸小紋_笹と霰

先日巡り合った寄せ小紋の中から柄をまず2つ。

このがらは笹柄の余白に霰が散っている。

笹も、5枚の細長い舟形にも見える葉の周りに錐彫の点が重なっていて笹に霰がかかっているようにも、輪郭が霰でぼやけているようにも見える。

霰は余白の中の大小の白い水玉、ドット。

 

この同じ着物の中に、大小霰だけの柄の部分がある。

下の画像の右側がそれにあたる。

この小紋はすべての柄が錐彫で小さな白い丸で表現されているのだけれど、私が最初に手にした江戸小紋が鮫小紋だったこともあって、この錐彫のものが江戸小紋の全てだと思っていた。

左側は上の笹柄とは違って笹の葉自体はすっきりと表されている。

組合せで使われているのは竹垣か籠目だろうか。

笹の葉のような形は葉と葉の間に空間ができるので そこをどうしても埋めたくなるのだろう。

上の画像では霰、下は斜めに走る線。

何かそこに白いドットがないと黒場が目立ちすぎて全体の黒白バランスが崩れるから、だと思う。

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笹    大小あられ

 

それでも全体にたくさんある柄の中には黒場が多くてもよし、としている柄もあり、その柄のある場所で全体の柄の強弱やバランスは取れている。 

 

 

寄せ小紋


 

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江戸小紋づくし

手元にある着物の柄をひとつずつクリップしたら30種近い。代表的な鮫、麻の葉、は以前取り上げたのでわかるしよく見かけるが、ほとんどがわからないので調べることを自分の宿題にした。

 

画像のキャプションには、江戸小紋づくし、と入れたけれど、下書きの準備をしていて江戸小紋の柄を探そうと検索しはじめたところで

「寄せ小紋」と呼ぶということを知った。

 

錐彫の小さな円で作られる柄ばかりが江戸小紋と思い込んでいたが実際はそうではないし、江戸小紋は伊勢型紙を使うものばかりでもない。分類の仕方は色々あると思いますがここではおいといて。

その前に、江戸小紋に使われる伊勢型紙。

詳しくは作っているところを見る方が早い。

isekatagami.or.jp

 

とにかく、この着物の柄は錐彫で作られた柄を集めた=寄せた柄で、錐彫というのは図工の時間に使ったような彫刻刀のセットの中にある先が半円形になった形の刃物を縮小したようなものでこの白い丸ひとつ一つをくるりと回して渋紙から切り取ってできる柄のこと。

以前取り上げた鮫小紋が一番よく目にする柄だと思う。

左側がさめこもん、右が麻の葉。

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一つの柄で一反を小紋として染めるのではなくいろいろな模様を集めた柄にしてあるという、例えて言ったらメドレー曲みたいなものでしょうか。どちらかというと錐彫という技法で作る柄を集めているのであるジャンルのメドレー曲。これがさらに誰でもすぐわかる三役や五役やそれに準じる柄ばかりだとベスト盤ですね。

 

「寄せ小紋」でヒットしたのはこちらのサイト。

表参道 染一会

表参道にある江戸小紋のお店のようで、扱っている着物は伊勢型紙を使った手付け染。

 

伊勢型紙といえば、最近8巻が出た「あきない世傳 金と銀」(高田郁)、こちらも今伊勢型紙が出てきて、手付け染というのはこの時代とほぼ変わらない技法で染めているのだと思う。

 

このお店のサイトにある柄見本をずうっと見ていったのだけれどほとんどの柄名がわからない。「金と銀」で店名の五鈴屋の、鈴の柄を型紙に彫ってオリジナルの着物や帯を作ったように呉服屋それぞれが色々な柄をアレンジして染めていったら他にない柄もたくさんできてきただろう。

 

とはいえ、著作権法もなかった時代からある着物の柄、ちょっとずつ違って似たような柄というのは山ほどあっただろうしその研究もされているはずなので、この前の更紗や麒麟の時のように沼にはならないようにさくさくと宿題を片付けたいものです。

 

4月28日追記

全然片付かない宿題、1ヶ月半ぶりに手をつけます。

この着物はメルカリに出品しています。

https://www.mercari.com/jp/mypage/items/m33256379197/

 

 


 

鳥のモチーフ

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金茶小鳥柄(洒落袋帯

元々の予定はこちらを先にアップするつもりでタイトルを付けていたのに、2の方を先にアップしてしまった。

 

目の表情がコミカルで可愛いので一目惚れした鳥の柄。

フリマに出しているけれど、自分用にしたいかな、と迷っていて高いお値段のままにしている。

 

去年の秋、伯母から譲られた着物に合わせてみようと思っていた秋草柄の着物はたとう紙から出してみたら胴裏がかなり変色していて、着るのを諦めた。

 

秋色のこの帯、春の配色にするのは相当難度が高いのであと半年待つかな。

 

 

 

 

この帯はメルカリに出品しています。

https://www.mercari.com/jp/mypage/items/m69679979013/

 

 

鳥のモチーフ2

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白鳥

たまたま、だとは思いますが、一昨日アップした鳳凰の柄の帯、昨日売れました。

2月くらいからこちらのブログは相変わらず気まぐれ更新ですが、インスタの投稿をほぼ毎日続けています。そちらにはアップしているフリマサイトのURLを載せていないので検索されてくるのか、フリマサイトでたまたま目に入ったから気に入っていただけたのかはわかりませんがぽつぽつと帯や着物が売れ続けています。

 

この帯はお太鼓柄で、こういう円の柄は扱いやすいと思うのになぜか引き合いがない。これと似た黒地に赤1色で線柄の名古屋帯はあっという間にいなくなったのに、やはりこの赤、という色が平凡なのに目立ちすぎる性格だからでしょうか。

 

この円の中にいるのは白鳥らしい鳥だけではなく黒い鳥や何やら四つ足の犬か獅子かはっきりしない生物。後は植物。

そう思い込んでいますが、今、下の画像の前柄の部分を見ると白鳥と思っている形に似たピンクの柄が外周円のなかに並んでいてこちらは鳥といううよりは何かの蕾のようにも見えたりします。色のせい?

 

デフォルメされた形はすぐにわかるものもあれば人によっては違うものに感じられるので、この画像を見て「そもそもどこに白鳥」と疑問に思う場合も結構あるのでしょう。猫がものすごく好き、だとか、フクロウを集めている、という場合はその形が何か、絶対に決めておきたいでしょうがそういうことがなければなんだか鳥みたいな形があるよね、でもまあだいたいお太鼓のあたりにこういう楕円がぼん、と会ったら柄の重しになっていいよね、ぐらいで帯も選んでしまっていいのだろうと思います。

 

 

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白鳥のいる丸紋

 

 

 

 

 

 

 

 

この帯はメルカリに出品しています。

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更紗鳳凰柄

 

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更紗鳳凰

鳳凰の形は更紗に使いやすいのね。

唐草や更紗など模様がつる草のように続いている場合は、物の形の飛び出た部分からつなげていくので鳳凰のように尻尾の先がひらひらしているとかトサカがかっちりしていなくて風になびくようだとか大きく外に向かって出ている部分を次の形につなげやすい。

 

水玉の唐草はありえない。

円はそれで完成している形で外に向かう部分が一切区、水玉はそれぞれの円が独立して配置されているから水玉になっているわけ。

円をつなげて唐草模様にすることは可能です。例えば江戸小紋の一つ一つの白い点、それが円になっていて全体で唐草模様になっていたら水玉の唐草、という言い方はできますが。

 

どっちでもいいか。

 

鳳凰の柄も色々なパターンがあり、飛んでいるもの羽を休めて立っているもの、デザインされて簡略化されたもの、などなど。

この帯の柄は飛んでいる柄でよくあるポーズで、つい連想するのは手塚治虫の「火の鳥」。未来編を読んだときには、そこに描かれた膨大な時間と孤独に圧倒されました。物理や歴史で学ぶ時間の感覚、特に物理は苦手で全く理解できないものがストレートに差し出されてなぎ倒された気がしたけれど、、、、話がそれた。確か、鳳凰編もあったはず、と検索してみたら、ありました。

 

ja.wikipedia.org

 

鳳凰編、読んだはずですがかなり前のことなのでもうほとんど覚えていない。でも鳳凰の像を作るところで火の鳥が関わってくるらしい。

鳳凰火の鳥は違うものなのにその形が似ているのでよく混同されているけれど、人から人へ話が伝わっていくうちに似ていったり離れたり物語が生きていろいろ育ったり分化したりしただけなのかもしれない。 

 

 この帯にある、もう一つ別の柄の鳳凰はこちら。

 

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この帯はメルカリに出品しています。→この記事をアップした翌日に、売れました

新品未使用

https://www.mercari.com/jp/mypage/items/m63657771757/

 

双鳥紋

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双鳥紋_青

 昨日の鴛鴦唐草紋やこの帯の柄のように、鳥が向かい合った図柄はたくさん見かける。拡大して画面に貼り付けたら、なんだか鳥に見えなくなってきたし、でも、これはやっぱり鳥だろう。

 

紋、紋章、など、目印になるようなものにこういう向き合った柄はたくさんある。ヨーロッパの紋章も獅子が向かい合っている、と、すぐ思い出せる。人間の体が細かいところはそうではないといえ、大きく見れば左右対象に見えるから、人間が作り出すものも同じように左右対象になっていると思える。でもまあ、人間の体の部分それぞれは普段向き合ってはいないけどね。目がいつも向き合っているような顔を想像すると変だし、それだと前が見えない。

 

この帯は配色見本のようです、

青、赤、緑、黒、それぞれの地色に対して違う配色で柄は一緒。

4つの配色が並んだところで帯の幅いっぱいに織られているので端になっている赤と黒とは柄が少しカットされてしまっています。

黒、なくてもいいんじゃない、3配色だけでもありかも、と私は思います。黒だけが配色に使われている色が少ない。以前手元にあった帯でだいたいこの黒の柄のある幅くらいだけ縞がはいっていた帯がありました。この幅のバランスに何か意味があるのかもしれません。

 

 この帯を配色見本、柄見本として何種類もの柄の帯が作れそうな気がします。

丸い双鳥紋の部分だけ並べて地色1色で作る、丸紋と七宝柄の部分だけを繰り返して横段の柄を並べる、七宝とその下の植物の部分だけを繰り返す、植物の部分だけで小紋風の柄にする、さらにその下の花菱の部分だけ、この花菱の黄色地の配色だとプロヴァンス風の柄に見えなくもないものができるかもしれません。

 

 

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お太鼓になるとこういう感じです。

このバランスしか、なかったのかなあ。

 

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この帯はメルカリに出品しています。

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