梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

秋色の大花昼夜織

f:id:plumstone131:20180625064141j:plain

色相環の黄色から赤までの色をややくすんだ感じで組み合わせると確実に秋らしい色になる。季節感がありすぎるので、ほかの季節に着るのがかえって難しくはなるのでだいたい夏の終わりから、紅葉の季節まで、と割り切って着ることにするような色合いの帯です。

柄を織ると表に出て柄になっている部分の色以外は後ろに隠れていて、手織りや、機械で織っていても綴れ織だとその糸が渡っているままですが、この帯は裏と表が入れ替わるように反転した色の昼夜織になっています。一見多色使いのように見えて実際は地色の辛子色と右側の花のぼかしたような多色染の糸が昼夜織になっていて、花芯の象牙色や左側の花の煉瓦色、葉の部分の洗柿の色などは部分的に差し込まれた色のようです。どうしても織込めなかった部分の煉瓦色が一部、つづれ織りのように裏で糸が渡っています。

色の和名は季節感を表すものも多く、また、画像の撮影時の光線の加減やモニターの角度や環境で違った色に見えるので、葉の部分の色名を何にするか少し迷いました。

参考にしたのは和色大辞典

淡香 #f3bf88

洗柿 #f2c9ac

洒落柿 #f7bd8f

この辺り、実際に生地で見る場合はもっとはっきり差が出るのかもしれません。季節感の出る色、として柿の文字のある色名を選びました。柿のつく色名は他にも、柿色、水柿、薄柿、柿渋など濃淡や色合いの違うものが数色紹介されています。