江戸寄せ小紋_笹と霰
先日巡り合った寄せ小紋の中から柄をまず2つ。
このがらは笹柄の余白に霰が散っている。
笹も、5枚の細長い舟形にも見える葉の周りに錐彫の点が重なっていて笹に霰がかかっているようにも、輪郭が霰でぼやけているようにも見える。
霰は余白の中の大小の白い水玉、ドット。
この同じ着物の中に、大小霰だけの柄の部分がある。
下の画像の右側がそれにあたる。
この小紋はすべての柄が錐彫で小さな白い丸で表現されているのだけれど、私が最初に手にした江戸小紋が鮫小紋だったこともあって、この錐彫のものが江戸小紋の全てだと思っていた。
左側は上の笹柄とは違って笹の葉自体はすっきりと表されている。
組合せで使われているのは竹垣か籠目だろうか。
笹の葉のような形は葉と葉の間に空間ができるので そこをどうしても埋めたくなるのだろう。
上の画像では霰、下は斜めに走る線。
何かそこに白いドットがないと黒場が目立ちすぎて全体の黒白バランスが崩れるから、だと思う。
それでも全体にたくさんある柄の中には黒場が多くてもよし、としている柄もあり、その柄のある場所で全体の柄の強弱やバランスは取れている。