浅葱縮緬地唐山水模様
国立博物館の小袖からもう一つ。
18世紀、江戸時代中期のもの、最盛期の友禅染め。
「縮緬地を縹色に染め波模様を白上げにして、小高い島にさまざまな唐様の楼閣を友禅染めで表した風景模様の小袖」
赤は輸入染料の生臙脂で染めているという。
生?
乾燥と生があるのかと思ったけれどそうではないらしい(うどんのようではなかった)
コトバンクによると臙脂虫の一種が寄生した樹脂から採取するものでショウエンジと読む。うどんのように生や乾燥があるわけではなくそういう名前らしい。
https://kotobank.jp/word/生臙脂-530673
ラックカイガラムシやコチニールカイガラムシ、原料は虫らしい。日本の染料が草木染めという言葉のとおり植物由来のものなのに比べて国や自然環境が違うと主流になるものも違うということ。
日本で原生の動物性の染料はあるのだろうか。
捺染の始まりが身近にある草を擦り付けることで始まったのなら、虫が原料だと…そしてその虫がとても小さいものだと…これ以上は想像するのをやめておこう。
文章には書いているけれど、頭の中はさっきから思考停止している。
浅葱、臙脂、それにもう1色黄色系の染料があれば茶系と緑が最初の2色との掛け合わせで表現できる。地の色と合わせて5色。
これだけの色でも当時は特別なことだったのだろう。