梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

2019-01-01から1年間の記事一覧

慶長小袖

慶長小袖 東京国立博物館の常設展を見てきました。 常設展といっても年に何度か入れ替えているようでこの部屋では江戸時代の秋の着物が数点、美術史や着物の歴史の本で写真を見た覚えがあるものなど。 小袖が現代の着物の原型とされます。それ以前の宮廷貴族…

梅の帯揚げ

梅の花 帯揚げ 梅の花の柄がある帯揚げ、以前手元にありました。今は画像だけ残しています。 この帯揚げの柄は梅だけではなくて色紙の中に梅、桜、牡丹と3種類の違う花のバージョンで飛び柄になっています。 それぞれの花に青海波、七宝、紗綾形といった幾何…

白梅 絞り染

白梅 絞染 先日、菊について書く時に国花を調べていたら、日本の国花が桜なのか菊なのか、と迷うのと同様に中国(中華人民共和国)でも牡丹が梅か、と疑問がでるらしくなんだか似たようなので面白いと思っていました。 中国は広さが桁違いなので決められるのか…

桜の帯揚げ

桜 帯揚げ 桜の着物は着る時期が短い。季節感がはっきりわかりますし、さらに着物は季節を先取りして、と言われるので桜が咲いてしまったらもう次の柄にしなくては、となると桃の節句が終わる頃から3月いっぱいくらいでしょう。 でも、最近はそれほど厳しく…

菊の名前

細管の菊 今週続けてきた菊の柄、最後はまた違う形の表現です。 武田菱のような織柄の上に白い鹿子絞りをつなげて細い花びらのカールした菊、それも大柄のものを全体にちりばめた着物の一部です。 この形の菊は家庭に飾られることも、仏壇のお供えになること…

線描きの菊 染柄 御所解風文様

線描きの菊 前回までは織物の菊でしたが今回は染小紋の柄の菊。 この柄は御所解文様と言っていいと思いますが、正統派御所解ではなく御所解風、くらいの軽い印象です。小紋ですしね。 御所解文様で検索したところ、文様の解説よりも販売中の着物の方が圧倒的…

線描きの菊 織柄

紅藤色線描きの菊 織柄 菊の織柄、3枚目です。 一つ紋の無地の着物の地柄ですが、前の2つとは違ってあっさりと、菊の花だけの織物です。 花芯も葉もなし、簡略化して花びらだけを重ねて一面埋め尽くしただけ。花の大きさが直径5cmくらいで菊としても中くらい…

菊と萩

源氏車に菊と萩 前回の菊がきちんと写生したものをどうぞ、と出したものなら今回の菊はアレンジされてデザインされたものです。 袋帯の柄なので金銀も多く菊以外に大きな御所車の車輪が配置されています。 御所車や御所解きについては検索すると色々と解説し…

菊は国花?

着物の柄で一番多い花は菊ではないか、と、この数ヶ月着物を撮影していて思います。 あれ、国花って菊だっけ桜だっけ?ふと思いました。どちらも国花だそうです。法律で決めているわけではないのでどちらでもあり、なんとなく雰囲気で合意されていそうなのは…

鮫小紋 追加

鮫小紋 藍ねず 鮫小紋にご縁があります。 手元に集まった4枚目、とりあえず藍ねず色としていますが、もうちょっと淡いような気もします。 この着物は地模様がありあられのようなこまかい凹凸があり、手を触れたらさらさらした感じです。糸とびの多いところが…

縞 江戸小紋

赤紫縞 江戸小紋 江戸小紋の三役が「鮫」「行儀」「角通し」さらに「大小あられ」「縞」を加えて五役だそうです。 www.someichie.jp 私の手元には「鮫」と「縞」しかないのでキングとエースしかないポーカーの手札のようでストレートフラッシュには遠く、縞…

両滝縞

両滝縞 前回引用した縞の説明の中に縞がだんだん細くなったり太くなったりするものを滝縞という、とありました。両方向に向かっている場合は両滝縞だそうです。 ちょっと無理がありそうですがこの着物もそう言えるでしょうか。 画像の着物は青磁色の地色に深…

万筋

万筋 「縞はね、細い方が粋なんですよ」 東山七条にあった芸大の入学試験会場で、受験生の色彩構成の画用紙をドライヤーで乾かしながら試験監督の先生が、帰り支度が少し遅れてまだ教室にいた私たちに言うともなくつぶやいた。 その時の試験の課題は「縞を描…

鮫小紋

鮫小紋 赤 母から譲られた着物はどれも母の好みの華やかな小紋や付下げで、江戸小紋は全くありません。 洋服の好みも、やはり色をしっかり感じられるようなプリント柄、小柄な体型なのに大柄のプリントが好みのようです。 プレゼント候補に選んだブラウスの2…

麻の葉に絞り染

麻の葉に絞り染め 遠目に見ると黒に白いドットの着物です。 近いて柄をよく見ると黒ではなく濃紺の麻の葉の織柄で、6つの菱形の交点に絞り染めのポイントがあります。それがドットではなく、真ん中に黒い(紺ですけど)点のある疋田絞りです。 この絞り方が…

菊花の青海波

扇面の中の花 先日取り上げた扇面の中に花と一緒に定番の模様がいくつか使われています。 青海波、鹿子、七宝、雲取、波、松など定番と言えるでしょう。 このブログを続け始めた最初の頃に取り上げた模様が青海波でした。 plumstone131.hatenablog.com 円の…

亀甲と橘

亀甲と橘 大島紬です。 先日の亀甲つながりで、今度は着物ですが亀甲の中に橘が入っています。橘も家紋に使われています。Wikiによると平安時代の橘氏由来で井伊家が使ってたと。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/十大家紋 基本図形、円、六角、五角、四角…

市松

市松地に蝶 市松、ということでこの画像にタイトルをつけましたが、箔や蝶の方がめだちます。 前回、亀甲と花菱に使った画像の帯とこの帯は、中央で切り替えられているので似ています。 中央から左が市松、蝶の部分は右側半分の中の半分ちょっとで端の方はも…

亀甲と花菱

亀甲と花菱 亀甲も花菱もどちらもアレンジが多く家紋も多い柄です。花菱は周囲を囲むとその名の通り菱形ですが、鋭い方の角をちょっと落とすと六角形になりますね。 最近ご縁があって手元来た帯です。サクラ、楓、ナデシコ、菊などどの季節でも締められらる…

矢羽

真ん中下の赤茶と黒、白の大きな三角の中に矢羽柄があります。 これも家紋にたくさんありますし、そもそもは戦国時代の頃からあるもの。 矢紋として並べている画像には、数、並べ方、重ね方のバリエーションが色々あります。 http://www.harimaya.com/o_kamo…

鱗紋

鱗紋 前回アップした七宝の柄が入っている帯の柄拡大です。 正円と思った七宝が楕円になっているのですが、これは確か、斜めに撮ったからだったはず(後日確認要) 三角形が連なっているものが鱗紋です。七宝の柄や花菱、四つ目紋、左下の部分の柄名がまだ見…

七宝と花菱2

七宝と花菱2 前回の七宝は楕円になっていたものでしたが、手持ちの帯の中に正円の七宝柄を見つけました。 お太鼓の左上の部分、三角形の中の黒地に白の部分です。 この七宝の中にあるのは花菱ではなく目結紋のうちの「隅立て四つ目」と呼ばれる家紋にある模…

七宝と花菱

七宝と花菱 この柄だと花の方が目立ってしまいますが 菱形になった花と花の間をうめているのが七宝柄です。七宝の中に花菱を入れた、という方が正しいのかな。 七宝柄だけの画像が今見つからないのですが 麻の葉と同じように元々は幾何学的です。円の上下左…

ユニフォームに使われた幾何柄いろいろ

幾何柄あれこれ 青海波、麻の葉と続けて季夏柄のことを書きましたが、先週までずっと気になっていたのがラグビーW杯のビジュアルで使われていた和柄の一連です。ユニフォームの地柄もいくつもの柄が編まれていましたがこの帯も同じように、1枚の中に柄見本…

麻の葉

麻の葉 一番最初に興味を持った和柄がこの麻の葉です。 買い物に行くという祖母について行き、自分用に初めて買ってもらったもの。 今だったら催し会場のラックに並ぶ洋服を買うのと同じ感覚、ワゴンの中のTシャツを選ぶような感覚でたくさん積まれた反物か…

扇 扇子

扇柄 扇、おうぎ、と聞いて連想するもの。 お雛様の持ち物、上村松園の日本画「序の舞」、びゃくだんの香り、カールラガーフェルド、お立ち台、などなど。最後の2つは着物からは離れてしまいますが。 ふと、ドレスの時に持つような羽のついた扇はなんという…

青海波とwifiマーク

青海波 前回、青海波の応用の柄について書きましたが、こちらがシンプルに、青海波だけの文様です。 順序としてはこちらが先の方がよかったですね。 ひとつひとつの波の中にある曲線が7本ずつで数は揃っていますがそれぞれの曲線のカーブは全て違う。全て手…

青海波と片輪車模様

青海波風片輪車文様 青海波、せいがいは、と読みます。 画像の柄は青海波の柄の応用編というもので基本的には同心円の線柄を半分だけ見せて重ねて波の連なりのように見せた柄、言葉では説明しづらいですね。今度シンプルな青海波の画像を探してみます。 画像…

つづれ織り_2

たて糸とよこ糸の組み合わせで織物は構成されます。 単純にはたて糸、よこ糸が交互に表と裏に入れ替わって行くので、最初に織物が始まった時はたてよこ同じ割合で糸が見える、平織りのものが普通だったでしょう。 あるいは、たまたま足りなくて違う糸を足し…