梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

菊は国花?

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着物の柄で一番多い花は菊ではないか、と、この数ヶ月着物を撮影していて思います。

あれ、国花って菊だっけ桜だっけ?ふと思いました。どちらも国花だそうです。法律で決めているわけではないのでどちらでもあり、なんとなく雰囲気で合意されていそうなのはこの二つの花でしょう。

 今回は、菊です。

 

単独で使われることも他の花と組み合わせることもどちらも多い。

 

花の種類も多いので形も表現も色々。あっさりした線画から重厚な唐織までありとあらゆる柄がありそうでどこかにそれだけで本を出している人がいるのでは、と思います。

 

原則として秋の花。でも一年中花屋で見かけます。特に仏花。

 

だからかもしれませんが、ここ数年の桜のもてはやされように比べたら菊は存在感が薄くてかわいそうな感じですね。

桜の歌は山ほど増えたのに菊の歌ってあまり聞かない。スポーツチームのユニフォームには使われたのかしらね?

 

皇室の紋が菊なので遠慮しているのでしょうか。パスポートにも菊は使われていますし、明治から昭和前半の時代と今は違います。デザインに同じものを使わなければその辺りは自由でしょう。

桜も昭和の間は軍歌でもてはやされていたのが、今はJPOPに満載です。

 

画像の菊は、留袖の裾模様の一部です。ごく普通に、写実的な菊そのもの。でもこの柄が珍しいのは織柄ということ。他にもなでしこ、桔梗、おみなえし、萩、と秋の花が素直な表現をされていて和花の花束のようです。

 

菊は咲く期間も長いので桜の柄と比べたら着られる期間も長く実用的です。そういうところもやはり実直で地味な花、普通の柄、と思われるのでしょうか。

 

 

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