梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

桜の帯揚げ

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桜 帯揚

桜の着物は着る時期が短い。季節感がはっきりわかりますし、さらに着物は季節を先取りして、と言われるので桜が咲いてしまったらもう次の柄にしなくては、となると桃の節句が終わる頃から3月いっぱいくらいでしょう。

 

でも、最近はそれほど厳しくはないように思います。

原則はそうと知っていた上で、確信犯的に桜の着物や帯を身につけることもあるし、知らなくても桜と競い合うように、あるいはシンクロするように着物を着ても許される空気感になっていて、着物警察も取り締まりの手をゆるめているのでは。

 

たまたま桜の柄の帯揚げにご縁があり、そういえば小物には桜の模様は多いのかもしれない、とも思いました。意匠化してしまえば花びらが5つある花の柄、としてあるいは国花だから、という理由などつけて季節を問わず身につけることもよいのでしょう。

 

トップ画像は濃い桜色の地色にさらに濃い赤や紫で花びらの省略した形をパラパラとステンシルみたいに染めたものです。桜の季節なら柄が見えるように、それ以外なら柄が見えないように桜色の無地の帯揚げのように使えばいいでしょう。無地部分は桜とは無関係な菱形や花、楓などの織柄です。

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桜 青

 

同じようにシンプルな桜の花の帯揚げですが、こちらはもう少し花びらが本物に近い形です。1枚ずつ散った花びらも上の桜色のものよりもきっちりと形になっています。

 

また、織柄も桜になっていて、最初の帯揚げよりも華やかで若々しく、振袖にも似合う深い色合いです。

 

 

ところで、桜の花びらが1枚だけある形、私は地下足袋の足跡の形に似ているな、と時々思うのですが、それは桜に失礼でしょうか。

 

 

#plumstone

トップ画像の帯揚はメルカリに出品しています。→アップした夜中に売れました。

https://www.mercari.com/jp/items/m95682195621/