梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

2018-01-01から1年間の記事一覧

小菊と檜垣

檜垣。 大辞泉には「檜(ひのき)の薄板を網代(あじろ)に編んでつくった垣根」とあります。 現代ではまず、垣根がどんどん減っているし、その垣根に檜の薄板を使うということはあまりないだろうし、檜垣のある風景を頭の中に再現できる人がどんどん減っていく…

市松柄と菱重ね(に、似たような柄)

変則市松柄と菱重ね 昨日入れ子枡と市松、という柄について書いたところで同じような種類の柄をもう一つ。 共通点は 四角が同心円のように重なっている。(菱形の重なり=帯の黄色い部分) 四角が 上下左右隣り合っていて接している四角とは色が違う、一つお…

入れ子枡

四角の中にさらに小さい四角が入っているのは「入れ子」というと、菱形の模様の時に知りました。確かに、入れ子枡、で検索すると色々出てきます。家紋にもあるし、三つ入れ子になったものは「三枡文」「三つ入れ子枡」という市川團十郎の定紋です。 枡は必ず…

菱型

ひし形を重ねて、円だと同心円という言葉がありますが、四角には同心四角とは言いませんね、そういう形の柄です。 最初、「菱重ね」というタイトルにするつもりでしたが、検索すると、切子硝子の画像がいっぱい出てきました。でも、その画像にある柄はこの柄…

秋色の大花昼夜織

色相環の黄色から赤までの色をややくすんだ感じで組み合わせると確実に秋らしい色になる。季節感がありすぎるので、ほかの季節に着るのがかえって難しくはなるのでだいたい夏の終わりから、紅葉の季節まで、と割り切って着ることにするような色合いの帯です。…

柳橋と色紙

柳橋地紋に色紙文様染 織地紋で柳橋の柄、ヨコ糸は銀色箔糸と金糸で柄の変化をつけた上から破れ色紙の柄を染めたもので、 織と染の組合せから、一見あっさりしていますがよく見ると、凝っている、と思わせるような袋帯です。 先日から参考にしている帯の本に…

つづれ織り

文様ではなく、織の技法のひとつ、つづれ織り。 文様の技法の中では一番古い、つまり原始的な方法で、織機がなくても手機でも柄を出すことは可能だろうと思う。紀元前の遺品にもあり、中国やヨーロッパでは広がっていたが日本で織られるようになったのは江戸…

洒落帯 

手描き染帯舟と花 「 洒落帯」という言葉は、着物の本のあれこれを読み始めるとよく目にします。 今は「洒落」「しゃれ」という言葉が何かの分類に使われることは少なくて、物の基準ではない、ということですね。シャレジャケット、とかしゃれベルト、とか言…

道長取り

道長取り 亀甲と具象柄あれこれ 和服の文様構成の一。継色紙から取り入れた技法で、いくつかの色・柄の違う模様をちぎって貼り合わせたように、曲線や折れ線で区切って置いたもの。 (大辞林 第3版 kotobank.jpより) 白地に水色と少しの赤や深緑を配して水…

鶴と葉 更紗唐草風織柄

鶴と唐草風葉文様 唐草模様、というとまず検索してでてくるのは、緑の背景に白で渦巻き模様のような縁に近い曲線の続き模様の中に時折、小さな葉が表現されている、というもの。 代表的な使用場所は風呂敷。獅子舞の胴体部分の布。 漫画の中でドロボウが盗品…

吉祥文様 御所車に草花

吉祥文様 御所車 前回霞か雲か、どちらも水蒸気の違う現れかただからどっちでもいい、と書きかけて実は修正したのですが、ヱ雲、ヱ霞その違いは曲線か直線か、です。 どちらが適切か、などとはたぶん、着物や帯を量産していた頃には考えず、今回は雲で、今回…

ヱ霞 吉祥文様

ヱ霞 桐菊七宝 最近は白地、黒地の帯をよく見かけるような気がします。 昨日の赤い帯がちょっと古いもののように感じるのとは対照的にこちらはずいぶんと馴染みやすい、でもこれが今のベストか?というとちょっと違う。無彩色の帯はどんな色にも合わせやすい…

立涌 菊菱と桐

立涌に菊菱と桐 柿色または朱赤 着物はかたちが同じなので洋服のように流行はなく、親から譲られた着物もずっと着られる、とは言われるがそんなことはない。形は同じでも色や柄に時代の傾向がある。 中古で出てくるのは赤系が多い。 親に譲られた着物の中に…