梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

小菊と檜垣

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檜垣。

大辞泉には「檜(ひのき)の薄板を網代(あじろ)に編んでつくった垣根」とあります。

現代ではまず、垣根がどんどん減っているし、その垣根に檜の薄板を使うということはあまりないだろうし、檜垣のある風景を頭の中に再現できる人がどんどん減っていくのだろうな、とふと思いました。

 

この柄が着物に取り入れられた時代には、垣根のそばに植えられた小菊を目にすることができたのでしょう。今なら、ステンレスのワイヤーの塀に掛けられたガーデニングの小鉢、花は和花ではなく、パンジーゼラニウム。いい悪いではなく、現実にそうなっている、というだけのことです。そうすると、プリント柄にはきっとそういうものがあるはず。

菊も檜垣も画像検索すると気の遠くなる程、たくさんの数がでてきます。それだけ、身近な存在だということです。柄の説明文にある「網代」。こちらも網を作る糸の構成方法と言えますが、網も普段の生活ではもう使いませんね。

 

生地の織り柄が垣根と菊、小菊の部分だけ、色を指して目立たせています。4、5色のそれぞれ違う色調の色を組み合わせる場合、選ぶ色の統一感で子供の折り紙だったり、ヨーロッパの街が似合ったり、韓国の王朝だったり、と基本の色調が世界中にあるような気がします。和柄の場合も同様に基本的な明度や彩度の基準値があるのでは、と思うのでそのうち調べてみたいと思っています。

 

 

この着物はメルカリで販売しています。