梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

江戸寄せ小紋_扇

寄せ小紋のなかに扇子らしい形が3種類あった。 扇、と思っているけれどこれは違うのだろうか。 もしかしたら上下つながって鼓? ちょうど要の部分に・があるのでこれもwifiマークにも見えなくはない。 (wifiマークについては青海波の時に書いた) 扇らしい…

江戸寄せ小紋_笹と霰

江戸小紋_笹と霰 先日巡り合った寄せ小紋の中から柄をまず2つ。 このがらは笹柄の余白に霰が散っている。 笹も、5枚の細長い舟形にも見える葉の周りに錐彫の点が重なっていて笹に霰がかかっているようにも、輪郭が霰でぼやけているようにも見える。 霰は余…

寄せ小紋

江戸小紋づくし 手元にある着物の柄をひとつずつクリップしたら30種近い。代表的な鮫、麻の葉、は以前取り上げたのでわかるしよく見かけるが、ほとんどがわからないので調べることを自分の宿題にした。 画像のキャプションには、江戸小紋づくし、と入れたけ…

鳥のモチーフ

金茶小鳥柄(洒落袋帯) 元々の予定はこちらを先にアップするつもりでタイトルを付けていたのに、2の方を先にアップしてしまった。 目の表情がコミカルで可愛いので一目惚れした鳥の柄。 フリマに出しているけれど、自分用にしたいかな、と迷っていて高いお…

鳥のモチーフ2

白鳥 たまたま、だとは思いますが、一昨日アップした鳳凰の柄の帯、昨日売れました。 2月くらいからこちらのブログは相変わらず気まぐれ更新ですが、インスタの投稿をほぼ毎日続けています。そちらにはアップしているフリマサイトのURLを載せていないので検…

更紗鳳凰柄

更紗鳳凰柄 鳳凰の形は更紗に使いやすいのね。 唐草や更紗など模様がつる草のように続いている場合は、物の形の飛び出た部分からつなげていくので鳳凰のように尻尾の先がひらひらしているとかトサカがかっちりしていなくて風になびくようだとか大きく外に向…

双鳥紋

双鳥紋_青 昨日の鴛鴦唐草紋やこの帯の柄のように、鳥が向かい合った図柄はたくさん見かける。拡大して画面に貼り付けたら、なんだか鳥に見えなくなってきたし、でも、これはやっぱり鳥だろう。 紋、紋章、など、目印になるようなものにこういう向き合った柄…

双鳥華紋(赤地鴛鴦唐草紋錦)

双鳥紋 小紋と四霊、更紗に手間取ってしまった。 トップ画像のキャプションを双鳥紋としたのは、更紗図録を見たときに鳥が向かい合う図に双鳥紋という説明があったからだった。 歴史も染織史も中学高校大学とカリキュラムにはあったけれど忘れたことの方が多…

麒麟はいない

鳳凰で検索したところで知った「四霊」に合わせて4種類柄を並べてみようと思ったものの、麒麟がどこにもない。2月に入ってからずっと着物や小物、手持ちの本で麒麟を探していたけれど見つからず、缶ビールを買いました。 着物の柄じゃないので画像も小さくし…

万年

万年 亀 鳳凰、龍と続くと残りは麒麟と亀です。 「鳳凰は麒麟(きりん)、亀(かめ)、竜とともに四霊の一つ」(日本大百科全書の解説)と、鳳凰の時に検索して知ったのですが、亀の柄の着物も帯も小物も、今手持ちの物がありません。明日は麒麟の番ですがそちら…

龍紋

最初にこの龍の柄を見た時に、丸い柄にするために、頭と尻尾だけにしたのだと思った。 龍紋 白 あとから、龍紋という紋があるのだとわかった。 龍。 伝説の生き物のなかで、最近人気が高いのではない?昨日取り上げた鳳凰よりもずっとよく見かけると思う、画…

鳳凰

鳳凰飛柄 今週は生き物の柄を続けます。 最初は鳳凰、頭が鶏、鶴が胴体、孔雀の尻尾など3つ以上の生き物の部分を持つ中国の伝説上の鳥ですが、実在の生物の組合せという点、どうしても人間の想像力の限界を感じてしまいます。 鳳凰も花も、たぶん雲か霞と思…

きもの

国立博物館での小袖を観たのでそのことを書こうとしたら、調べすぎて更新が止まってしまった。 専門的にしらべたいわけではないけれど、あれこれ気になると、どんどん検索と本をパラパラめくるのに時間が過ぎてしまう。 調べたことをきちんと書くのではなく…

浅葱縮緬地唐山水模様

浅葱縮緬地唐山水模様 国立博物館の小袖からもう一つ。 18世紀、江戸時代中期のもの、最盛期の友禅染め。 「縮緬地を縹色に染め波模様を白上げにして、小高い島にさまざまな唐様の楼閣を友禅染めで表した風景模様の小袖」 赤は輸入染料の生臙脂で染めている…

紫萌黄染分山繭縮緬地流水草木屋形虫籠模様

紫萌黄染分山繭縮緬地流水草木屋形虫籠模様 前回の続きです。 東京国立博物館の小袖を見ながら、「着物の下克上」という言葉が浮かびました。下に着ているものが上、つまり表に出てくる、主役になる。衣服も時代につれて変わるさまを表現した言葉です。 私が…

慶長小袖

慶長小袖 東京国立博物館の常設展を見てきました。 常設展といっても年に何度か入れ替えているようでこの部屋では江戸時代の秋の着物が数点、美術史や着物の歴史の本で写真を見た覚えがあるものなど。 小袖が現代の着物の原型とされます。それ以前の宮廷貴族…

梅の帯揚げ

梅の花 帯揚げ 梅の花の柄がある帯揚げ、以前手元にありました。今は画像だけ残しています。 この帯揚げの柄は梅だけではなくて色紙の中に梅、桜、牡丹と3種類の違う花のバージョンで飛び柄になっています。 それぞれの花に青海波、七宝、紗綾形といった幾何…

白梅 絞り染

白梅 絞染 先日、菊について書く時に国花を調べていたら、日本の国花が桜なのか菊なのか、と迷うのと同様に中国(中華人民共和国)でも牡丹が梅か、と疑問がでるらしくなんだか似たようなので面白いと思っていました。 中国は広さが桁違いなので決められるのか…

桜の帯揚げ

桜 帯揚げ 桜の着物は着る時期が短い。季節感がはっきりわかりますし、さらに着物は季節を先取りして、と言われるので桜が咲いてしまったらもう次の柄にしなくては、となると桃の節句が終わる頃から3月いっぱいくらいでしょう。 でも、最近はそれほど厳しく…

菊の名前

細管の菊 今週続けてきた菊の柄、最後はまた違う形の表現です。 武田菱のような織柄の上に白い鹿子絞りをつなげて細い花びらのカールした菊、それも大柄のものを全体にちりばめた着物の一部です。 この形の菊は家庭に飾られることも、仏壇のお供えになること…

線描きの菊 染柄 御所解風文様

線描きの菊 前回までは織物の菊でしたが今回は染小紋の柄の菊。 この柄は御所解文様と言っていいと思いますが、正統派御所解ではなく御所解風、くらいの軽い印象です。小紋ですしね。 御所解文様で検索したところ、文様の解説よりも販売中の着物の方が圧倒的…

線描きの菊 織柄

紅藤色線描きの菊 織柄 菊の織柄、3枚目です。 一つ紋の無地の着物の地柄ですが、前の2つとは違ってあっさりと、菊の花だけの織物です。 花芯も葉もなし、簡略化して花びらだけを重ねて一面埋め尽くしただけ。花の大きさが直径5cmくらいで菊としても中くらい…

菊と萩

源氏車に菊と萩 前回の菊がきちんと写生したものをどうぞ、と出したものなら今回の菊はアレンジされてデザインされたものです。 袋帯の柄なので金銀も多く菊以外に大きな御所車の車輪が配置されています。 御所車や御所解きについては検索すると色々と解説し…

菊は国花?

着物の柄で一番多い花は菊ではないか、と、この数ヶ月着物を撮影していて思います。 あれ、国花って菊だっけ桜だっけ?ふと思いました。どちらも国花だそうです。法律で決めているわけではないのでどちらでもあり、なんとなく雰囲気で合意されていそうなのは…

鮫小紋 追加

鮫小紋 藍ねず 鮫小紋にご縁があります。 手元に集まった4枚目、とりあえず藍ねず色としていますが、もうちょっと淡いような気もします。 この着物は地模様がありあられのようなこまかい凹凸があり、手を触れたらさらさらした感じです。糸とびの多いところが…

縞 江戸小紋

赤紫縞 江戸小紋 江戸小紋の三役が「鮫」「行儀」「角通し」さらに「大小あられ」「縞」を加えて五役だそうです。 www.someichie.jp 私の手元には「鮫」と「縞」しかないのでキングとエースしかないポーカーの手札のようでストレートフラッシュには遠く、縞…

両滝縞

両滝縞 前回引用した縞の説明の中に縞がだんだん細くなったり太くなったりするものを滝縞という、とありました。両方向に向かっている場合は両滝縞だそうです。 ちょっと無理がありそうですがこの着物もそう言えるでしょうか。 画像の着物は青磁色の地色に深…

万筋

万筋 「縞はね、細い方が粋なんですよ」 東山七条にあった芸大の入学試験会場で、受験生の色彩構成の画用紙をドライヤーで乾かしながら試験監督の先生が、帰り支度が少し遅れてまだ教室にいた私たちに言うともなくつぶやいた。 その時の試験の課題は「縞を描…

鮫小紋

鮫小紋 赤 母から譲られた着物はどれも母の好みの華やかな小紋や付下げで、江戸小紋は全くありません。 洋服の好みも、やはり色をしっかり感じられるようなプリント柄、小柄な体型なのに大柄のプリントが好みのようです。 プレゼント候補に選んだブラウスの2…

麻の葉に絞り染

麻の葉に絞り染め 遠目に見ると黒に白いドットの着物です。 近いて柄をよく見ると黒ではなく濃紺の麻の葉の織柄で、6つの菱形の交点に絞り染めのポイントがあります。それがドットではなく、真ん中に黒い(紺ですけど)点のある疋田絞りです。 この絞り方が…