線描きの菊 染柄 御所解風文様
前回までは織物の菊でしたが今回は染小紋の柄の菊。
この柄は御所解文様と言っていいと思いますが、正統派御所解ではなく御所解風、くらいの軽い印象です。小紋ですしね。
御所解文様で検索したところ、文様の解説よりも販売中の着物の方が圧倒的に多くベストな説明が見つけられていません。
また、山ほど出てくる御所解文様の商品はどちらかというと訪問着や振袖、袋帯など現在はフォーマルな着物に多い柄です。
無難なところで、Wikipedia。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/御所解
いくつかのサイトから大体分かったことは次の通り。
・柄の題材が御所のお庭である。庭に咲く四季の花、檜扇、柴垣、牛車などが題材
・平安時代の文学を連想させるような柄である。
・江戸時代に武家の女性、主にお屋敷に上がっている女中が好んで着ていた。着ることで古典文学の嗜みがあることをあらわすような意図があった。
・明治時代に幕藩体制が崩壊し、お屋敷勤めがなくなった武家では生活のために着物を解いて売った、あるいは、それまで武家の女性に商売していた呉服屋が、抱えていた在庫を放出したため、一般に広まるようになったがらである。
だいたいこういうところでしょうか。女中が着ていた、というと仕事着ではないか、ともおもいますが、それだけではなく藩主の家族も着用していたようで、古典柄として拡張の高い柄ゆきが多く、お値段もそれに合わせた売られ方が普通でしょう。
トップ画像の着物は、どちらかと言えば仕事着に近い、普段着として重宝しそうな御所解き柄と言えます。
この小紋はメルカリに出品しています。→売れました