寄せ小紋
手元にある着物の柄をひとつずつクリップしたら30種近い。代表的な鮫、麻の葉、は以前取り上げたのでわかるしよく見かけるが、ほとんどがわからないので調べることを自分の宿題にした。
画像のキャプションには、江戸小紋づくし、と入れたけれど、下書きの準備をしていて江戸小紋の柄を探そうと検索しはじめたところで
「寄せ小紋」と呼ぶということを知った。
錐彫の小さな円で作られる柄ばかりが江戸小紋と思い込んでいたが実際はそうではないし、江戸小紋は伊勢型紙を使うものばかりでもない。分類の仕方は色々あると思いますがここではおいといて。
その前に、江戸小紋に使われる伊勢型紙。
詳しくは作っているところを見る方が早い。
とにかく、この着物の柄は錐彫で作られた柄を集めた=寄せた柄で、錐彫というのは図工の時間に使ったような彫刻刀のセットの中にある先が半円形になった形の刃物を縮小したようなものでこの白い丸ひとつ一つをくるりと回して渋紙から切り取ってできる柄のこと。
以前取り上げた鮫小紋が一番よく目にする柄だと思う。
左側がさめこもん、右が麻の葉。
一つの柄で一反を小紋として染めるのではなくいろいろな模様を集めた柄にしてあるという、例えて言ったらメドレー曲みたいなものでしょうか。どちらかというと錐彫という技法で作る柄を集めているのであるジャンルのメドレー曲。これがさらに誰でもすぐわかる三役や五役やそれに準じる柄ばかりだとベスト盤ですね。
「寄せ小紋」でヒットしたのはこちらのサイト。
表参道にある江戸小紋のお店のようで、扱っている着物は伊勢型紙を使った手付け染。
伊勢型紙といえば、最近8巻が出た「あきない世傳 金と銀」(高田郁)、こちらも今伊勢型紙が出てきて、手付け染というのはこの時代とほぼ変わらない技法で染めているのだと思う。
このお店のサイトにある柄見本をずうっと見ていったのだけれどほとんどの柄名がわからない。「金と銀」で店名の五鈴屋の、鈴の柄を型紙に彫ってオリジナルの着物や帯を作ったように呉服屋それぞれが色々な柄をアレンジして染めていったら他にない柄もたくさんできてきただろう。
とはいえ、著作権法もなかった時代からある着物の柄、ちょっとずつ違って似たような柄というのは山ほどあっただろうしその研究もされているはずなので、この前の更紗や麒麟の時のように沼にはならないようにさくさくと宿題を片付けたいものです。
4月28日追記
全然片付かない宿題、1ヶ月半ぶりに手をつけます。
この着物はメルカリに出品しています。
https://www.mercari.com/jp/mypage/items/m33256379197/