慶長小袖
東京国立博物館の常設展を見てきました。
常設展といっても年に何度か入れ替えているようでこの部屋では江戸時代の秋の着物が数点、美術史や着物の歴史の本で写真を見た覚えがあるものなど。
小袖が現代の着物の原型とされます。それ以前の宮廷貴族=公家で着られていた「大袖」に対して袖口が小さいから「小袖」、そでの大きさではなく袖口の開きの大小です。
公家に対して武家で着られたものを単純に小袖というのでもありません。宮廷でも小袖は着ていて打掛の下に着るものを小袖と呼び、それまでは下着に近かったものが表に出てきたのだったような。
すみません。
服飾史も少しかじっただけで記憶がええかげんです。Tシャツが表に出てきたのと同じようなものでしょうか。
トップ画像の小袖、重要文化財です。
「染分綸子地若松小花鹿紅葉模様」というのがこの着物につけられたサブタイトルです。最初に色、次に素材、最後に柄名の順序で名前はつけられているようです。他の展示もそう。この着物は地色が3色以上なので染分としているのでしょうね。濃い色は黒、白っぽく見えるところが黒の鹿子絞り、色があまり見えません。グレーに見える部分は藍地の鹿子絞り、細かい花や葉の柄はすべて刺繍です。
全体の柄はこんな感じ。
ガラスの向こう側を撮っているので、前見頃側の柄の中に非常口の緑色のマークが取り込まれてしまいました。