梅の種 文様記録

柄や色の覚え書き

つづれ織り

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文様ではなく、織の技法のひとつ、つづれ織り。

文様の技法の中では一番古い、つまり原始的な方法で、織機がなくても手機でも柄を出すことは可能だろうと思う。紀元前の遺品にもあり、中国やヨーロッパでは広がっていたが日本で織られるようになったのは江戸時代以降のことだったという。

(『帯の常識と帯合わせ』世界文化社

 

主にタピストリーに使われていた技法、というところでキャロルキングの歌を連想した。今はタピストリーもそのままで通用するけれど、最初にこの曲が日本に紹介された頃はタピストリーが何かわかる人はあまりいないだろう、と、「つづれ織り」というアルバムタイトルを日本語にしたのだろうと想像する。

 

今ではひょっとしたらつづれ織りよりもタピストリーの言葉の方が通用するのかもしれないな、と何気に「つづれ織り」で検索すると最初に出てくるのはGLAYの歌詞。通用するのかもしれない。

 

何の花かははっきりしないデフォルメされた柄をざっくりと織ってあり、民芸風というには色合いが華やかでタピストリーにあってもおかしくない柄を帯のお太鼓のスペースに収めている。タピストリーという言葉が普通に使われるようになってから織られた帯ではないでしょうか。